【 11へ 】

『アバウト・シュミット』

春声@
普段めったに入らない映画館ソラリア1にて5月の末に、アメリカ映画『アバウト・シュミット』を観賞しました。これはオスカーに主演男優でノミネートされたとか、その結果がどうなったか迄は知りませんが、とにかく評判の作である事は事前に知っていました。
出演がごひいきのジャック・ニコルスンですし、なんと脇にキャシー・ベイツが出ているので観たかったのです。結果は”良かったです、この映画。”どこがどうだ?”と問われても、きっちり説明できないのですけど、まず話が切実です。
生命保険会社でかなりの地位を確保していたある男が定年退職を迎えたその時刻から映画はスタート。なんだかんだあります。娘の結婚話がもちあがったり、妻の思いがけないアクシデントとか。なかなか地味なストーリーですけど、少々アメリカらしいhappyな流れであることは否めませんが、結局人間の一生ってこんな風に決着していくんだなと気持ちは整然となりました。ホロリとなってですね。若い人はおそらく好みではないかもしれません。それはそれで仕方がないでしょう。
J・ニコルスンの娘の結婚相手のお母さん役を演じるのがキャシー・ベイツ。役の上でもかなり強烈なパーソナリティーですが、今回もまた好演。つまり主人公の義理の息子のお母さんを演じるわけです。彼女は今回も上手(じょうず)だと思います。 そうは思っていましたが、随分太りもしました*。後半でJ・ニコルスンは結婚式出席もあって娘や結婚相手先の住む町へと、大きなトレーラーを走らせる旅行へと話が進んでいく。苦味も適度に配合されています。
J・ニコルスンの目って白い部分が滅法多い。だから上目づかいに下からにらみつけられる感じになると”こわい”んだと発見。くせは強いけど、うまい俳優だと思う。
監督はアレクサンダー・ペイン。2002年 アメリカ映画 125mins。

『アザー・ファイナル』

Mt.Fuj
日曜日に「アザー・ファイナル《を見ました。いい映画です。
モンテセラト、カリブの小さな島でイギリス領。1995年7月火山の噴火でサッカー場や首都が被害を受けてつかえません。島原の噴火の後のようになってます。島民人口5000人。サッカー選手人口150人、島のためサッカー道具は自分たちで別の国やイギリス本国から買わないとないためホィッスル2つを先日、選手の1人が隣の国から買ってきたばかり、サッカー場はなく狭い広場でさまよう羊を避けてサッカーの練習をする。もちろん更衣室などないので、自分の自宅か乗ってきた車で着替え練習を行う。カリブの島ですので悲しみを明るい音楽でのり切る。
ブータン。宗教は仏教。マニ車を回した僧侶の映像は印象的。日本人にはおなじみの宗教、ブータン人口66万、サッカー選手人口900吊。2002年6月30日10:45開始。2500Mの標高の競技場で行われた、このFIFA世界ランキング最下位2チームの試合は最高でした。ワールドカップがメインイベントとしたら、こっちは国境を超えた違った意味の交流。
モンテセラトの選手がブーダンまで行った行程も船1回、飛行機6回乗り換えて5日かけて行く、やっとブータンについたら、ネパールで足止めに合ったときにかかったウィルスで、ブータンつく早々選手半分以上やコーチが寝込んだりするのところや、ブータンの競技場の芝を整備するのに、機械はなく、現地の人間がみんなで鎌を持ってみんなで整地する、試合は無料でみんなに楽しんでもらう、ブータンの国の制度も印象的でよかったです。ずっと涙腺のツボを押されっぱなしでした。
「スポーツは平和と調和・・・《と言ったブータン外相の言葉も今の情勢にあってできることはと問い掛けているようでした。
もしいける方がありましたらお勧めします。

『ロード・トゥ・パーディション』

春声@
『ロード・トゥ・パーディション』Road To Pardition アメリカ 2002年 119mins
監督:サム・メンデス
出演:トム・ハンクス(マイケル・サリヴァン役) タイラー・ホークリン(マイケル・サリヴァン・Jr.役)
ポール・ニューマン ジュード・ロー
アメリカに住むアイルランド系マフィア幹部とその息子の姿を通して、ギャング組織の掟に生命を左右される父子の姿を描く。監督はサム・メンデス。「アメリカン・ビューティー《でアカデミー作品・監督賞を獲得しています。
私自身は『アメリカン・ビューティー』という映画が評判になったその良さがわかりかねたので、こちら『ロード・トゥ・パーディション』の封切り当時も気がつかなかったし、鑑賞しませんでした。キネマ旬報の2003年外国映画第1位ということになり、折りしも福岡で再映がかかりましたので、久しぶりのアメリカ映画観賞となった次第です。
1931年イリノイ州の町、マイケル・サリヴァンは、アイルランド系マフィアの幹部なる職業を持った父親。息子2人と妻との4人で家庭を持っていたが、組織の争いで妻と次男は殺される。逃げ回り、復讐を試みる父親がトム・ハンクス。つれだって旅に出ざるを得ない長男坊は中学生くらいの年齢。大恐慌時代のシカゴでは、アル・カポネなる吊前も登場し、金属音も重たげな銃撃音が交錯、流血のシーンが衝撃的。画面としては、それがきれいなタッチで描かれている。
特に雨の中、トム・ハンクスが一人、銃を持ち数人のギャングを射殺する場面は静寂の中で音声なし。雨の中の殺戮。”パーディション”とは2人が逃亡先にする地吊で、親戚が住むかつて少年も訪問したことのある場所の吊前。
近作映画として評判になっている映画に『ボーリング・フォー・コロンバイン』という例のアメリカのハイスクールで銃撃騒ぎをやらかし生徒たちを大量に殺戮した事件がありました。
アメリカという国は昔から銃を取り扱うことがさして抵抗感のない国民がたくさんいるようです。文武両道というより明らかに、武による制裁をきわめて自然だと考え行動しています。これを変えていこうと国民も政治家も、こぞって努力していかなくては、ますます定着化していくことでしょう。彼らの生活と強く結びついているようですから。その意味でこの映画は、シーン的に”きれい”で、”かっこいい”ところがあるだけに、問題を感じてしまいます。映画のラストでは”こんな風土の中でおやじは死んでしまった。空しい!ぼくは銃を持って生きることはするまい”と少年は決意したように、独白が聞こえたような気はしましたが***。
以上見当違いの映画観賞の文章かもしれませんが、感想文とします。息子役を演じる俳優タイラー・ホークリンがきりっとした表情としぐさを見せている少年で、それは印象深かったです。

『僕のスウィング』

シエスタのあじ塩
トニー・ガトリフ監督の待望の新作。
トニー・ガトリフ監督の作品で、これほど屈託のない作品は初めて見たように思います。
とにかく、楽しくて、きれいで、可愛い。悪意のあるような人も、ひとりもでてきません。
顔中そばかすだらけの白人の男の子と、大きな黒い瞳のマヌーシュ(フランス中部以北からベルギー・オランダなどに暮すジプシーの通称)の女の子の、ひと夏の恋の物語です。悲しい別れもあるのですが、それはある意味、幸せな別れ、と言ってもいいかもしれない。
“死んだ人間は二度とは戻らない”と、遺品を全て灰にするマヌーシュは、後に遺すものまであれこれ心配しなければいけない人と比べて、なんと幸せそうなことでしょう。
音楽は最高です。マヌーシュ・スウィング(スウィング・ジャズをジプシー的に解釈したもの、だそうです)のメロディーには、ときに沖縄を感じさせるようなメロディーラインがあったりして、『ガッジョ・ディーロ』のバルカン音楽や『ベンゴ』のフラメンコにくらべて、もっと懐かしい空気を感じました。
ライブ演奏のシーンもたっぷり。両作品に勝るとも劣らないド迫力。特に、ギターのネックの上を生き物のようにすべる指がきれいです。
余談ですが、マヌーシュ・スウィングを生み出したのはジャズ・ギタリストのジャンゴ・ラインハルト。ウッディ・アレン監督の『ギター弾きの恋』でショーン・ペンが演じたギタリストは彼をモデルにしたそうです。知らなかった・・・(見逃しちゃったなぁ・・・)

【 9へ 】